音楽や音を活用してみよう
音楽が好きな人も多くいます。運動をするときには、音楽をかけて行うなどの工夫をしましょう。リズム体操やダンスなどが好きな人も多いです。ただし、中には音が苦手な人もいますので、個々の特徴を捉えていくことが必要です。
知的障害は、知的機能の障害が発達期(概ね18歳まで)に現れ、記憶、推理、判断などの知的機能の発達が、全般的に遅れた状態にとどまり、社会生活への適応面で福祉的な援助を必要とします。重度の場合は常に支援者と共に行動することが多いのに対して、軽度の場合は自立して行動することが多くなります。
知的障害者は、複雑な事柄の理解や判断、漢字の読み書きや計算などが苦手な場合があります。しかし、軽度の場合、少しの会話だけでは障害があるとわかりにくい人もいます。
知的障害者の中には、未経験の出来事や状況の変化への対応が苦手な人が多くいます。相手の不安や緊張を解きほぐすために、まずは優しく声をかけてください。
しかし、成人の場合は、子ども扱いしないようにしましょう。また、強い口調で話しかけると、怯えたり、話をあきらめてしまうこともあるので、注意しましょう。
たくさんの事柄を一度に説明すると混乱してしまうので、短くわかりやすい文章で、ゆっくり丁寧に話しかけましょう。相手が理解できていないことについては、何度もくり返し説明してください。相手の理解を確認するために、内容を相手の言葉で話してもらうと良いでしょう。
書類や看板の漢字にはふりがなを付けたり、イラストや図を使ってわかりやすくしましょう。
「今日は何がしたいですか?」と尋ねるのではなく、「今日は水泳をしますか?」のように質問すると、相手は「はい」「いいえ」で答えられます。また、指示をするときは、「用紙に記入してください」ではなく、「住所を書いてください」と、具体的に伝えることで意向が通じやすくなります。
支援者がいる場合でも、用件の確認や意思確認は、必ず利用者本人に行なってください。また、的確な対応をするために、その場にいない家族などに連絡をする場合は、必ず利用者本人の同意を得て、目の前で電話をするなどの配慮をしてください。
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。知的な遅れがある場合もあれば、知的な遅れがない、または平均以上の場合もあります。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、一人ひとりの障害が違うという点が、発達障害の特徴といえるため、それぞれに合わせた支援が必要です。
知的障害者の場合、陸上、水泳、卓球、バドミントンなどの競技を、健常者と一緒に行うことができます。障害の程度によっては、ルールの理解が難しい場合もありますので、その際はルールを簡単にするなどの工夫をして楽しんでいます。
知的障害者とスポーツを楽しむためには、コミュニケーションの配慮とポイントに留意し、何に興味があるのか、また、障害の程度に合わせた工夫などが必要です。
ルールの理解度によって、健常者と同様にプレイできる人もいますが、ルールの理解が困難な場合は、内容を簡単にして、わかりやすくするなどの工夫が必要です。
用具を使うスポーツの場合には、ラケットやボールの持ち方や使い方をゆっくりと丁寧に伝えていきましょう。また、用具の片づけまでできるように、用具と収納ボックスの色や番号を合わせるなどして、収納方法もわかりやすくしておくと良いでしょう。安全に、楽しく用具を使えるようにしていきましょう。
相手に通じるコミュニケーション手段は何か、言葉・イラストや写真・擬音・ジェスチャーなどを試みて、最も適したコミュニケーションを見つけてください。
一人ではプレイできなかったり、理解が足りない場合は、介助者の協力も有効です。介助者や身近な人が共にプレイしたり、見本として行動してもらうことで、一緒に行えることがあります。ゆっくりと時間をかけて取り組んでいきましょう。
音楽が好きな人も多くいます。運動をするときには、音楽をかけて行うなどの工夫をしましょう。リズム体操やダンスなどが好きな人も多いです。ただし、中には音が苦手な人もいますので、個々の特徴を捉えていくことが必要です。