一緒に楽しむことから①
遠藤裕美さん
東京都障害者スポーツ指導者協議会理事
大学3年生の頃、ゼミの専攻を決めるのにどこがいいかなと思っていたんですが、ゼミの内容で選ぶというより、友達と一緒に入りたいなと思ってました。ちょうどその時、仲の良かった先輩に「おもしろいよ」と聞いたのをきっかけに入ったのが、障害者スポーツのゼミでした。
障害者スポーツゼミに入って、初めて障害者スポーツに携わったんです。だから先輩に誘われなければそこに入らなかったんですよ!
なんとなく授業で知ってはいたんですけど、全然自分がやろうなんて思ってなくて。本当になんとも思ってないところからスタートしちゃったんです。
ゼミに入って、障害者スポーツとは何ぞやっていうのを勉強して、実践や実習しにいったりして。私が大学にいる時はゼミを2年間受けても指導員の資格が取れなかったんですね。愛知の障害者スポーツ指導者協議会の研修会を受けて、せっかくだったら資格を取ってみたいと申し込んで、3年生の時に資格を取りました。大学にいる間は障害者スポーツに携わりながら、障害者スポーツ関連の卒論を書きました。それが始まりという感じでした。
確かに。友達と一緒に入れるゼミ、ですからね。
在学中はゼミの課題として地域の団体に入ってボランティア活動をしなさいっていうのがあって、私は昔から水泳をやっていたので愛知の水泳クラブに行ったんですね。
そこで身体障害や知的障害のある選手に、私は教えるというよりは一緒に泳いで介助するみたいなことをやったり、選手から紹介された施設のイベントにボランティア活動でお手伝いに行ったりして、障害者スポーツを学ぶということがメインでした。
東京に来て社会福祉協議会(以下「社協」)に就職して、せっかくゼミで2年間障害者スポーツをやったので、何か続けられればいいなって思っていましたし、ゼミの友達とも続けられるといいよねって話していました。そうしたら、東京都障害者スポーツ指導者協議会をとおして、東京都障害者スポーツ協会の事業への協力依頼があったので何かできるといいなと思って、陸上や水泳のボランティアなど自分にできそうなものに〇をつけて、スタートしました。社協は、土日が休みだったということもあって、続けていられた部分があるのかなと思ってます。
東京都障害者スポーツ協会が募集していたボランティアだけです。社協の仕事としてボッチャサークルのお手伝いをしたりはしていました。練習の方法を確認したりだとか、選手一人ひとりの動きの確認をして、こういうふうに動いたらいいかもよと伝えたり、たまに審判をしてみたりしています。お母さんたちとしゃべったりもします。
今は、ボッチャサークルには勤務としては行っていないんですが、行ける時は行くようにして、練習に顔を出してみたりだとか、大会に付き添ったりしています。
いないです。完全に社協がやっているスポーツ教室のひとつという形です。ただ、選手のご家族や地域のボランティアさんに協力してもらって運営ができる形にして、そこに職員がサポートとして入ってます。運営に必要な手続きは選手のお母さんたちが私たちと相談しながらやっています。和気あいあいと、お母さんたちがお子さんに「投げられないの?」と言ってるのを見て、「お母さんたちもやってみてください」って言ったら「あら、難しいわね」ってなったり。笑
選手の中には練習場所に来るのにもヘルパーさんに頼まなきゃいけないという方が多いです。トイレも、家族やヘルパーさんがいないと難しかったりという選手が多いです。また、大会ひとつ出るにしても、ボールやランプを持っていく手立てがないこともあって、ご家族が送迎する車に載せています。選手自身もがんばりつつ、家族もがんばりつつですね。ボランティアに来る方がその時々で違っても、一緒に楽しめたらいいな、と思って活動しています。
私たちもフォローするので、今の感じで工夫しながらやっていけたらいいな、と思います。
社協のスポーツ教室に来ていたボランティアさんがそのまま来てくれたり、東京都障害者スポーツ協会の職員さんが「社協にスポーツ教室があるよ」と伝えてくれて、初めて来ました!っていう方もいらっしゃいます。あとは、地域に住んでいるボランティアさんに障害のある方の運動会で声をかけて、「面白そうね」と言ってくださった方を引っ張ってきたりとか。社協の施設の利用者さんのヘルパーさんが来てくださったり、ヘルパーもしているけどその日はボランティアとして関わってくださったりしています。
今はその方たちも慣れてくれて、選手専属でランプのアシスタントをやってくださったり、脳性麻痺で言葉が聞き取れない方ともうまくコミュニケーションをとってくださっています。特別支援学校の体育館などを使っていて、当時はまだボッチャのコートが引かれてない時だったので、ラインテープでコートを作るのを率先してやってくださったりしました。
荷物の運搬も施設から特別支援学校までは歩いてすぐなんですけど、ランプの運搬をしてくださったり。ボランティアさんがいてくれたから、今までこのスポーツ教室が続いているんです。
次回は、障害者スポーツボランティア活動の魅力について語っていただきます。お楽しみに!